熱海市が昨年暮れに、
市内経済振興へのカンフル剤として予算計上した、
「がんばろうクーポン券」(地域振興券)は、
「熱海商工会議所」を窓口として、
500円商品券11枚つづりを一冊5000円で発売、
一人の購買制限を10冊までと限定し、17000冊が印刷され、
小生も率先して購入したのは、既報の通りだが、
発行、即完売が期待されたものの、
1月16日時点では、
発行総数のわずか20%強と不振を極めていたが、
その後の推移について、今日、
鵜沢精一熱海商工会議所会頭に話を聞いた。
www.atamicci.or.jp/
面会したのは、鵜沢氏がオーナーの、
創業115年と老舗中の老舗、
客室全室が趣の異なった数寄屋造りが売りの、
熱海の癒「新かどや」の一角にある社長室だった。
www.shinkado.co.jp/
社長室には先客がいて、
テーブルに並べた絵葉書の説明を聞いているところだったが、
時間の都合もあり、
「がんばろうクーポン券」についての質問を割り込ませた。
先日の観光福祉委員会での
各委員の質問が肩を叩いたのか、鵜沢氏は、
「熱海市を始め、商工会議所を軸に改めて、
市民に周知徹底させ、6割超が捌けているが、
まだ完売にはほど遠く、更に多くの市民に呼びかけていきたい」と、理解を求めた。
有効期限が3月31日までとなっており、
熱海市職員、特に市外通勤者を中心にした購入促進や、
議員が率先して”地域振興券”を活用して、
熱海市内の商店街の活性化に役立ていものである。
さて、テーブルに並べられた10枚の絵葉書。
「新かど」115年の暖簾が彩なす、
熱海温泉をリードしてきた時代の節目が見て取れる。
(写真下枚、大正9年、現在の銀座町旧静岡銀行跡地にあった「新角玉旅館」)
木造3階建ての建物様式や、
客を入れ込む乗用車や人力車、3階の窓に立つ湯治客(?)に、
大正時代の、熱海温泉の格式美を想像させる。
昭和25年の熱海大火。
焦土と化した銀座通りと新角旅館。
この大火をきっかけに現在地の「新かどや」に移り、
角玉旅館から、明治25年に分家して「新角玉旅館」となり、
新角旅館から熱海大火を機に、
昭和25年現在地に移り屋号を「新かど旅館」とし、
平成18年10月には、屋号を「新かどや」にあらためて、心機一転、
時代とともに名称は変わっても、
”おもてなし”の心は変わりません。と、襟を正し、
今後10年続く旅館を目指したいと抱負を語った。
ただ、小生が懸念するのは、
熱海市が、
ホテル・旅館の固定資産税に対する配慮や優遇税制をもって、
雇用対策等を急がなければ、
熱海市内の大型ホテル・旅館施設は
100年どころか、10年以内には全敗と行かないまでも、
大半が休・廃業は避けられない。と、貸し渋る金融機関の対応である。
ならば、今度は、
熱海市内のホテル・旅館経営振興を名目に、
行政が何らかの補償をする、
元金保証、年間特典利用券他、熱海特産品が付いた、
「熱海温泉宿泊施設再生振興券」を、一株10万円以上のランクを付けて、
全国から公募する”市債”発行を検討するのも、窮余の一策なのだが・・・。
と、話しているうちに出前が届いた。
「そば悦」の天ぷらそばに、鵜沢氏と市内の土建業者と3人で舌鼓を打ち、
来月にはここで、
いつもの仲間と懇親会をすることで合意し、絵葉書を預かった。