髙橋弘会長(万葉倶楽部)の自伝、
”わが人生”その(30)ー(神奈川新聞連載)
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1950〜60年代はビール大瓶が
一本120円でした。
一本125円で計算すると
24本で3千円、30箱で9万円です。
粗利益は約10%ですが、
大口客の旅館には
値引きをするので、
粗利は約7%。
30箱で9万円の売上げに対して、
利益はわずか約6300円なのです。
しかも旅館の資金繰りが悪くなると、
「悪いけど、今月の支払はちょっと待ってくれる?」。
掛け売りした代金の支払いを、
当り前の顔で延期されます。
旅館にとって酒店と鮮魚店は
支払の金額が多いので、
これらを先延ばしにしておいて、
その間、
宿泊客から得る現金収入で
経営をやりくりするのです。
しかしわれわれ酒販店も
酒問屋に仕入れ代金を
支払わなければなりません。
問屋は支払を待ってくれませんから、
必死で工面して支払います。
当時の酒販店は
犠牲的精神で
成り立っているような商売でした。
配達の傍ら、
私は高校の商業科で学んだ
簿記や会計の知識を生かし、
帳簿類の記帳を担当しました。
個人のお宅への配達では、
使う伝票の改善もしました。
(つづく)
社員はブルネイ訪問時。