骨董屋(空)の主人からもう一つ、
香りに関する新たな知識を得た。
それは天然香木として
希少価値のある
沈香と伽羅についてだった。
鼻煙壷を癒しの壷として、
どこか知り合いの寺院と提携し、
鎮静作用のある、
沈香か伽羅をセットにした、
”癒しの鼻煙壷”として
売り出すのも一考だとして、
骨董屋の事務所の奥から
ガラスケースに入った、
数種類の”沈香木”と、
それを素材とした数珠を
取り出しその蘊蓄をiPadを開いて
説明して頂いた。
沈香は東南アジアに生息する
ジンチョウゲ科の植物の
樹脂から生まれたもので、
長い年月かけて蓄積され、
100年以上の古木でなければ
良質の沈香素材とならないため、
非常に稀少価値が高い
天然香木だということが理解できた。
古来より薬用として、
鎮静効果があるといわれ、
産地により香りが異なるようだ。
中でも、”伽羅” は
沈香の中でも最上級品で、
香りの王者とも評されており、
ベトナム中南部のごく一部の
地域でしか採取されない、
もっとも稀少な香木であり、
まぼろしの香木ともいうようだ。
石材屋ならば
沈香をストックしている
寺院との関係も深いだろうから、
一度相談してみてはどうか、と、
サンプルとして、
鼻煙壷3個と13gの沈香木を与った。