熱海市議会9月定例会で、 熱海市当局に対して、 その質問のトップは、
伊豆山土石流災害の地元議員であり、 また、 ネット配信された、 土石流災害の影響をもろに被った、
伊豆山地元議員で、 自民党古参議員の高橋幸雄氏。
その質問内容と、 特に、 斉藤市長が答弁した内容について、 掲載する。
(質問)
1.災害対策基本法第63条第1項に基づく 警戒区域の設定について
①警戒区域に接する住宅の人たちの精神面、 感情面、実情も考慮したうえで 警戒区域の見直しも含めた柔軟な対応を出来ないか。
②直接的な被害のない、また、 被害が軽度の住宅の場合、 安易に一時帰宅ができず住宅の手入れができない。 このような場合、 どこがその責任をとるのか。
③今後この点について柔軟に対応することが可能か。
2.みなし仮設住宅について
①示されている家賃の上限は 熱海市の実情に合っているか。
②上限が設定されている家賃に 個人が 追加で支払うことはできないのか。
③多人数の場合、 世帯分離は出来ないのか。
④熱海市は、 ペット世帯の入居可能な物件が少なく、 避難所から 次の住まいに移れない一つの要因である。 このことにつき対応策はあるのか。
3.災害義援金の配分について
4.伊豆山地区の復旧・復興について
①復旧・復興計画の時間軸の考えは。
②今後、伊豆山地区をどのように 計画的に復旧・復興させるのか、 その工程は。
③狭隘な道路、急峻な地形の中、 生かし切れていなかった 歴史的建物を生かせるまちづくりをすべきと思うが、 今後の 伊豆山地区の再生はどのようにすべきか。
④伊豆山港の状況はどのような状態か。 今後はどのように復旧させるのか、 伊豆山港の離岸堤はどうするのか。
5.職員の人数の適正化について
今回の様な災害等の発生時に、 臨時の職員頼みで業務が行えていたのか。 通常の事務などは 臨時の職員でもつとまるが、 災害などに遭遇した場合、 現状の職員では 対処できないことが露呈した。 職員を 適正な人数にする考えはないか。
以上に質問に対して、 斉藤市長の答弁を掲載する。
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私からは、 伊豆山地区の復旧・復興に関する ご質問にお答えいたします。
はじめに、 復旧・復興の時間軸の考えについてであります。
復興に向けて重視しなければならないのは 「安全で安心して暮らせるまち、住まいづくり」であると考え、
次なる災害に対しても 被災を未然に防ぎ、 被災しても影響を最小限にできる災害に 強いまちづくりや、 地区の皆様が不安なく暮らし続けられる 住まいづくりを 目指していかなければならないと思っております。
復興に向けた方向性をお示しするため、 復興まちづくり計画を策定し、 国、県との調整を進めると同時に、 年内には 地区の皆様の意見をお聞きし、 今年度中には、
復興まちづくりの基本方針と 基本計画を まとめて参りたいと考えております。
次に、 今後の復旧・復興における工程についてであります。
上流部の国直轄による砂防工事、 県による伊豆山港工事 及び 県と市が共同で行う下流部、河川・ 宅地等の復旧・復興に向けた工事等、 それぞれが 同時並行で行われます。
市が携わる下流部につきましては、 年度内に地形や、 河川などの構造物の現況測量調査と 地質の状況を確認するための ボーリング等を行う予定でおります。
全ての復興が完了するめどを 今 お示しすることは出来ませんが、 概ね 2年程度で 一定のかたちを示す必要があるものと考えております。
次に、 歴史的建造物を生かせる まちづくりについてであります。
復興まちづくりにおきましては、 基盤整備に伴い、
これまで築き上げてきた土地の記憶が 失われることが懸念されております。
地区の皆様が大切に守り、 育んできた歴史、文化資産を再生、活用し、 復興後のまちに愛着が持てるよう 再生していくことが 重要であると考えております。
最後に、
伊豆山港の復旧作業についてであります。
県熱海土木事務所に確認をいたしましたところ、 施設の毀損はありませんでしたが、
土石流の土砂が 泊地や船揚場等に流入したことから、 土砂の撤去を進めており、 現在、 陸域部分の土砂は搬出が終了し、 泊地の土砂の 浚渫を行っているとのことであります。 また、 漁業組合から要望されております 防波堤付け根部分の 改良工事は 予定通り行うとのことであります。
今後の予定としましては、 港内の静穏度の向上を図るための 基本設計に着手するとの事であります。
なお、 他のご質問につきましては、 担当部長より 答弁させていただきます。
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