熱海国際映画祭にかかる庁内検討委員会報告。②

昨日に続いて、

熱海国際映画祭にかかる
庁内検討委員会の
報告書を掲載いたします。

・・・・

I.第三者委員会報告書を踏まえた
熱海市としての総括

1.熱海国際映画祭
実施に至るまでの状況

(1) 本市が熱海国際映画祭実施に
関与することとなった経緯等

本市は、

熱海市における宿泊客数が
V字回復を経て
近年踊り場的状況にある中で、

インバ ウンドを含めた
宿泊客数の増加による
地域経済活性化策を
検討していたところ、

平成29 年4月に

映画祭等の企画・運営を
業務内容とする
A 社の代表者である E 氏から、
熱海市において、

国際映画祭を
開催したい旨の提案を受けた。

本市は、

熱海市が、古くから
数多くの文学・映画・ドラマの
舞台となっていたことを踏ま え、

熱海市において
国際映画祭を開催して、国内外に
PR・誘客を行うことによって

「文学・ 映画の街」熱海を
ブランド化することは、

熱海市にマッチした
取組みであるとともに、
熱海市の
海外における知名度を
高める効果もあると判断し、

本市として、

熱海国際映画祭の開催 に
積極的に
取り組むこととしたものである。

この点について、

第三者委員会は、

「こうした目的自体は正当なものであり、
E 氏らが策 定した
熱海映画祭の企画内容も、
これに沿うものであった。

本委員会の調査においても、

熱 海市が

熱海映画祭に関与するという
判断自体が
不当であったことを伺わせる
事情は見当た らない。」

また、

第一回熱海映画祭においては、
A 社の尽力により、
89 の国・地域から

日本未公開作品
1,508 本の応募があり、うち、
合計 81 本
(コンペ作品等 60 本、招待作品部門 5 本、
企 画作品部門 16 本)が上映された。

(2) 本市の熱海国際映画祭実施における
役割と実行委員会の組成

本市は、

本市が主催者となって
平成 16 年に開催した

熱海花の博覧会において、

多額の赤 字を発生させた

苦い経験を有していたことから、
仮に、

熱海国際映画祭の開催によって
赤字 が発生したとしても、

本市が

その赤字を負担する事態を
避ける必要があることを
強く認識 し、本市が、

熱海国際映画祭の実行委員会の
構成員となったとしても、

本市の財政上の負担 は、
本市が
熱海国際映画祭に「負担金」として
実行委員会に対し
拠出する

500 万円を超えることはなく

(なお、本市が、
負担金を拠出した理由は、
後述の
文化庁からの補助金額は、

上記「負担金」の 5 倍以内とされ、
本市が
負担金を拠出しなければ、
文化庁から
補助金交付 を受けることが
できなかったためである。)、

また、実行委員会における
本市の役割分担につ いても、

実行委員会が、

熱海国際映画祭の開催に関して
文化庁から
補助金の交付を受けるた めには、

本市が、

文化庁に対して
補助金交付申請を行うことが
不可欠であったため、

本市は

補助金申請業務に尽力するものの、
本市職員には、

映画祭開催に関する
ノウハウが皆無に等 しかったことから、

実行委員会の中心業務である、
映画祭開催の
具体的な企画立案及び実施 は、

全て、A 社を中心に、

実行委員会のメンバーである
他の 3 社が行うことを
実行委員会の
他の構成員に提案し、

このような本市の提案は、

実行委員会会議によって
他の実行委員会の
構成員全員の了解を得ていた。

なお、本市が、

熱海国際映画祭の
実行委員会の構成員となったのは、

文化庁から

補助金の 交付を受けるためには、
地方自治体である本市が
映画祭の
実行委員会の構成員となること が
必須要件とされていたためである。

また、本市は、

熱海国際映画祭を

地域経済活性化を図る事業として
根付かせるためには、

一過性の事業ではなく、

毎年開催が可能な
継続的な事業として
実施する必要があり、そのた めには、

熱海国際映画祭の実施が、

本市の支援を受けることなく、
民間ベースの
事業として 成り立つよう、

成長・独立させていく
必要があると認識していた。

文化庁からの補助金交付 条件に

「一過性ではない取組が対象」とあるように、
本市は、

熱海国際映画祭を、民間ベー スで
事業として成り立たせるまでには

複数年(3 年程度)の
年月を要すると見込み、

その期 間に限って、本市が、

実行委員会が文化庁から
補助金交付を受ける前提となる、

500 万円の 負担金を
継続して拠出するとともに、

本市が文化庁に対して、

熱海国際映画祭開催にかかる
補助金申請を行うことを前提に、
実行委員会の
構成員として参画したものである。

(3) 本市以外の実行委員会構成員の役割

本市以外に、
実行委員会の構成員となったのは、

実行委員会の
業務執行組合員に選任され た
A 社のほか、
B 社、C 社、4D 社の 3 社であった。

本市は、前記のとおり、

興行の実施に不慣れであるうえ、
映画祭開催という
専門性の高いイベント開催の経験が
全くなかったこと等から、

熱海国際映画祭の実施を担う
実行委員会を組成するにあたり、

専門集団の参画を図るよう
A 社に対して強く働きかけ、

A 社は、業界関係者に働きかけるなどして、上記 3 社を実行委員会の構成員として招聘した。本市が、映 画祭開催の専門集団の参画を企図し、A 社に働きかけた背景には、熱海国際映画祭への応募 作品及び集客の確保が熱海国際映画祭の成功に不可欠であるとの認識があったためである。

 

村山憲三 ▪︎熱海市議会議員(5期)  

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