髙橋弘会長の自伝”わが人生”(神奈川新聞連載) ー団体客相手の写真撮影のアルバイトがスタートー

髙橋弘会長の自伝”わが人生”
(神奈川新聞連載)

ーーーその(33)ーーー

ー団体さんは
夕方4時ごろ旅館に着き
ひと風呂浴びて
6時から宴会を始めます。

そこで私は
5時半ぐらいから宴会場に
機材をセットして待機しています。

使うカメラは
組み立て暗箱と呼ばれた、
蛇腹式の大きな木製カメラです。

このアルバイトのために
購入しました。
黒い布を被ってシャッターを切ります。

60年代くらいまでは
学校や写真館でよく使われたので
ご記憶の読者の方も
多いのではないでしょうか。

入浴後、浴衣に着替えた
お客さんが宴会場に集ってくると

「皆さーん、記念写真を撮ります。
こちらに並んで下さい」

前列の人と後列の人の顔が
重ならないよう

「そのメガネの方少し右へ」などと
調整します。皆が笑顔になるよう

「左の方、帯がほどけそうですよ」
などと笑わせます。

目をつぶらないこつは
「撮りますよ、はい、パシャ」で
即財にシャッターを切ることです。

「撮りますよー、
はい、1、2、3、パシャ」では
長すぎて、まばたきする人が
出てきてしまうのです。

暗箱をのぞくと被写体は
すりガラスに上下左右逆に映っています。

フィルムは一枚ずつのシートフィルム。

主にキャビネ版や八つ切り版で撮影しました。
撮影し終わると機材を素早く片付け、
挨拶もそこそこに
自宅に飛んで帰ります。

裏庭に建てた暗室付きの作業場で、
急いで現像、焼き付けをするのです。
(つづく)

村山憲三 ▪︎熱海市議会議員(5期)  

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