「温泉怪獣あたみん防衛計画〜温泉街の大ピンチ」(齋藤想)その1

石森史朗氏(脚本家)の小説・田中角栄と周恩来「双頭の龍」がついに発売され、
昨日、出版社(創芸社)からゆうメールで送られてきた。早速今朝は、
石森氏と面識のある議会事務局・遠藤職員に本を見せ発刊したことを知らせる。
内容については後日折りをみてかいつまんでご案内するとして今朝も、
3月定例会にて質問する予算案に関する詳細を調査すべく、所管課職員に説明を求めた。
明日は本会議初日であり、斎藤市長の上程案件の説明を待って質問案件を絞りたい。さて、

熱海リニューアルに参考としたいのが、ストーリーデザインコンテストに集まった、
4000字に収めたストーリーの数々。今日からは銀賞に入選した、


齊藤想氏の「温泉怪獣あたみん防衛計画 ~温泉街の大ピンチ!~」を掲載する。

ー君は、温泉はマグマの作用ではなく、実は
地中深くに住む温泉怪獣によって作られているのを知っているだろうか。
温泉怪獣はスライムのような形状をしており、各地の温泉街の地下に生息している。
温泉怪獣は熱過ぎる体を冷やすために、地下水を吸い上げては
熱湯にして吐き出している。そのお湯を拝借して
観光客に提供しているのが、温泉なのだ。

温泉の泉質は、温泉怪獣の種類によって異なる。
日本で様々な種類の温泉が楽しめるのも、
それだけ温泉怪獣の種類が豊富ということなのだ。また、
各地の温泉街で祭りが盛んなのも観光客目当てではなく、その多くが
温泉怪獣に感謝する大切な儀式であることも指摘しておこう。

そして、この熱海市の地下には「温泉怪獣あたみん」が古来より生息している。
性格は極めて温厚であり、その性格を反映したのか泉質は優しく、
だれもが安心して湯につかることができる。
この心優しい「温泉怪獣あたみん」の身に危機が訪れた!

所代わり、ここは近隣の某県某所。ここは近代になり開発された新しい温泉街だ。
市民たちの必死の願いもむなしく、この地の温泉怪獣が死のうとしていた。
その証拠として、温泉の湧出量が著しく減少している。
温泉の出ない温泉街など、海の汚れた海水浴場に等しい。

某所の旅館経営者たちは密談を重ねた。このところ頻繁に地震が起きる。
この地震がさらに温泉怪獣を弱めているのではないかと、
温泉旅館連合会会長の右近充剛三は心配していた。この会長は腹黒で、
自分たちの温泉街さえよければ、他の温泉街はどうなろうと関係ないと思っている。
他の温泉街の企画を盗用して客を奪う、
ネットの評判を操作して客を誘導するなどはお手の物だ。
そのような腹黒い会長が中心となり、ついに近隣温泉街による
「あたみん」誘拐作戦が決行されようとした。

ここ熱海市でも、市民たちの間で「最近地震が多いねえ」と話題になっていた。
熱海市民は、この地震の原因が、謎の集団により
突如として始められた試掘工事にあるとにらんでいる。この試掘工事は、
表面的にはトンネル工事の土質調査のためとなっているが、
現場は高い壁に覆われて内部がまったく見えない。
どうやらずいぶんと大掛かりに掘っているようで、
ひっきりなしにダンプが土砂を運んでいく。熱海市観光協会の若手である

貫井篤が動き出した。この若手はとても情熱的で、
温泉街を守るためには火の中水の中という性格だ。問題発生とみるや、
いても たってもいられない。怪しい工事があるという情報を
馴染みの新聞記者である岸良介に流して、現場に向かった。この記者とは、以前、

古木を守る運動を共同で 起こして伐採を中止させたことがある。
その時いらいの戦友だ。さっそく、貫井がこの工事には裏があるとにらんで
市役所や県庁に確認に向かう。ところが、いくら確認しても
熱海市でトンネルを掘る計画はないという。これは怪しい。

現場のダンプの運転手や工事業者に聞き込みをしても、
口を固く閉ざされてしまう。貫井は岸の助言を受けて、登記簿で地主を調べた。すると、
工事直前になって売買されていることが判明した。しかも買主は
某温泉街の老舗旅館の会長である右近充だ。
その温泉街は突如として湯量が減少し、危機的状況にあるという。

(つづく)

村山憲三 ▪︎熱海市議会議員(5期)  

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