行財政健全化という名の景気後退(2)

昨日の続きだが、
「財政危機宣言」に関しては、
これまでも、
小生なりに解析してきたとおり、
熱海市の
財政的な負の連鎖を
炙り出す格好となったのである。
予告なしの一撃は、(財政危機宣言)
小生を始めとして、
前体制に批判的な
市民の中には、
快哉を叫ぶ識者も多かったものの、
業界関連団体は、
”熱海市にダメージを与える、
身勝手な発言”だとして、
反斉藤の
包囲網を広げてしまった。
その声に押し切られたのかのように、
翌月には、
宣言撤回し、
タイトル変更で沈静化させ、
約10ヶ月が経過した。
その間も、
少子高齢化は加速し、
景気の長期低迷を要因とする、
社会保障経費の増大や、
三位一体改革による、
財源の減少に加えて、
地価の下落による、
市税収入の
大幅減に歯止めは利かず、
”ご臨終”への
カウントダウンは止まらない。
斉藤市長は、
宣言撤回後、
学識経験者を
改革会議委員に委嘱するなど、
「行財政改革会議」を発足させ、
8月14日、
具体的な
取り組み事項を策定した
行財政改革プランの
”素案”が、
9月定例会に向けた、
各会派の
「政調会」や各委員会に公開され、
本会議でも、
素案事業に対する、
活発な論議が展開された。
          (熱海市の議長応接室(左)と正副議長室)
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今月5日には、
各会派議員の
”反発”(要望)を受け入れた格好で、
・霊柩車運行事業(6,378千円)、
・重度心身障害者介護手当て支給事業(4,320千円)
・第二小学校プール開放事業一年間延長(9,525千円)を含む、
事業が復活され、
議員からは、
”復活事業は何人で決めたのか”、
”声の大きい議員に屈して、
事業復活しているのでは”、
”簡単に事業復活できるなら、
渚北地区再開発事業復活して、
削るばかりでなく、
明るい材料も
市民に提供できないか”
”花火大会も、
側近議員の一言で復活している”が、
我々の意見も吸い上げてくれるのか。など等、
厳しい意見も飛び出した。
”市長には理念があるのか”との、問いに、
~国の制度の下では削れず、
熱海市の単独事業の上乗せの部分を削った~と、
桜井副市長は
苦しい代弁で、
列席した各会派議員に、
理解を求めた。
鳴り物入りで発足した、
行財政改革会議による、、
「行財政改革プラン」の素案だが、
小生の評価は、
”石が流れて木の葉が沈む”の一言である。
何故なら、
行財政改革の根本的テーマは、
市民税の大半が、
役所の人件費に消えるという、
現実を踏まえ、
そこに
”大鉈を振るること”が
大前提であるはずなのだが、
職員給与の”6%”削減は吹っ飛び、
無駄な時間と
経費をかけた割には、
”中身が薄く”
”熱海再生”への、
具体的、
抜本的問題解決にはほど遠く、
小手先だけの、
数字合わせに過ぎないと
思うからである。
また、
削減する事業内容に比較して、
歳入案は皆無であり、
今定例会で
上程され
採択された議案には、
歳入が少なく、
膨大な借金を抱えてもなお、
投資家参入を阻むような、
規制もあり、
どのような観光戦略があって、
”20年後には、
熱海市は、
世界の保養地を目指す”というのか。
斉藤”理念”を
受け入れようとすればするほど、
小生の思考回路は、
ショートし、
機能しなくなるのである。

村山憲三 ▪︎熱海市議会議員(5期)  

1 Comment

  1. 熱海市は平時ではありません。今この街に求められているのは、確固たる理念に支えられた強い牽引力を備えたリーダーであると感じてばかりですが、側近議員の一言で簡単に物事が変わってしまうようなことが現実にあるのでしたら、看過できません。厳しい追求をお願い致します。

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