今朝、散歩からそのまま事務所に入り新聞を読んでいると、
高須基仁氏(モッツ出版)から宅配便が届いた。中を開けると、今月末発売の
高須氏の最新刊「人たらしの極意」(春日出版)が入っていた。グットタイミングだった。
日本ジャンボーの上場廃止と
MBO(経営陣による企業買収)の実施については、今年5月、高橋会長と高須基仁氏が、
月刊実業界誌上にて対談しており、立ち会った小生としては、ここから抜粋して、
そのMBOに至る過程を分かりやすく説明したい。18年間保ち続けてきた上場廃止の狙いは、ズバリ、
上場維持コスト増大による本業収益の圧迫に終止符を打つためだった
高橋=上場して市場からの資金調達しやすくなり、知名度も信用度も増して、
企業のグランド力が高まりました。優秀な人材も確保出来ました。一方、
株式市場の昨今の低迷から上場を維持する様々な維持費が増大し有価証券報告書は、
年2回作成し会社四季報等への情報提供も年4回迫られます。有価証券報告書作成には
監査法人の承認が欠かせませんし、この費用がここ最近急激に重くなっています。
米国のエンロン事件の影響で監査法人の細分化が叫ばれ、
内部統制の強化等がトレンドとなりJ-SOX法の制定により、監査法人の資料とは別の、
経営者による内部統制報告書の作成義務等企業側の負担が急増した上に、
監査法人への報酬も格段に上昇し、上場を維持する上でのコストが収益を圧迫します。
しかもこのコストは規模の小さい上場企業ほど負担感は大きく、
当社の場合、経常利益20億円に対して監査報酬は年間3千万円もかかります。
また企業監査に割いているスタッフは述べ200人、費用は年間7億円となります。
例えば、メインバンクの静岡銀行に当てはめてみると、静銀の経常利益は800億円で、
当社の40倍だから監査報酬は12億円。会計監査にあたるスタッフは8千人という計算です。
ただし、静銀はそんな無茶なコストはかけているはずはありませんが。
上場は規模の小さい企業ほど負担感は激しく、社員をリストラする前に、
メリットの薄い上場をリストラした方が理にかなっており、コストも軽減でき
株主や業績に縛られずに経営に思い切った改革をもたらすという点からも、
MBOに至った大きな背景ですが、実は、静銀の散在無くしては不可能でした。(つづく)