髙橋弘会長の自伝、
”わが人生”その93話。
(神奈川新聞連載)
ー現在50才以上の方なら、
フィルムカメラ時代の
35ミリフィルムのことを
よくご存知でしょう。
パトローネという
円筒状の金属容器に
ロール上に入っていて、
先端部分が少し出ています。
ここを「ベロ」と呼びます。
フィルムをカメラに装填するときは、
ベロを
カメラの所定の位置にセットします。
ところが
何かの拍子に
ベロがパテローネの中に
巻きこまれてしまうことがあります。
こうなるとカメラに装填できず、
未使用のまま捨てるしかありません。
私は常々、
巻き込まれたベロを
引っ張り出す方法はないかと
考えていました。また、
業務等で5枚ほど撮影したら
直に、
現像しなければならない場合がありました。
24枚取りフィルムの場合、
残り19枚分が無駄になります。
撮影済みの5コマだけ
切り離して現像し、
残りの部分を
ベロで引き出せば
残りの部分で撮影できるのに、と、
思ってました。
(つづく)