「熱海市議会」6月定例会での質問通告書の提出リミットは、
今日の午後5時、退庁時までと決められているが、今回は慎重に質疑内容を整理し、
議会事務局職員に手渡したのは、締め切り時間の約一時間前だった。
本会議上で一人会派の持ち時間は僅か40分。
今回、職員の不祥事や緊急経済対策補正事業を委託する「熱海市観光協会」への
補助金と事業内容、役員構成への疑問等々、多くの質問をするには、
時間が短すぎることから、「政調会」の場で、質疑の本題となる複線として、
問題点を幾つか質問したのだが、当局との論点が噛み合わず2度も流会、
通告書の項目の中には職員の相次ぐ不祥事の元凶となる、
役所の腐敗構造疑惑への具体的な事例を挙げざるを得なかった。
その通告書には、過去の定例会で2回連続して質問してきた、
「八幡山公営住宅」建物明渡訴等請求事件も盛り込んでいる。ただ、
この訴訟事件の調査過程で、当局側の身勝手な追い出し工作も浮上している。
熱海市がこの事件で被告扱いにした人物の名は「木下恵司」氏。
木下氏と言うより、「海山」と呼ぶほうが市民には通りがいい。この木下氏、
熱海市から、これまでに行政運営に関連する不動産の寄付など
貢献度の高い人物であることが、関係資料などから鮮明になっている。
その木下氏曰く、熱海市は、
正々堂々と慣例に基づき転貸をしたことを承知の上で被告扱いしている。と憤る。
確かに、立ち退き料を吊り上げるため、居座っている。というイメージが先行し、
商売上の信用失墜など精神的にも泥沼状態に追い込んでいるのは想像に難くない。
だと、すれば、当局による訴訟理由を鵜呑みにして通告した小生としては、責任上、
この「八幡山公営住宅」不法転貸訴訟事件と併せ、別件についても、議会の中で真相究明を急ぎ、
木下氏の汚名挽回を急ぐことが先決となる。
さて、熱海市「八幡山公営」が建設された経緯から紐解いてみると、
この公営住宅地は元々、熱海漁業協同組合(当時)の磯場だった。ここを、昭和30年始め、
熱海市は、企業誘致を視野に埋め立てして”し尿処理場建設”を計画した。
企業誘致を含め、当時の漁業組合長で衆議院議員だった、
「山田弥一」氏に取り纏めの全権を委任し、結果、昭和35年3月建物は完成した。当時、
熱海市は建設資金も含め、住民等への補償交渉には一切タッチできず、
山田氏やそれに続く有力者の方々が尽力し、入居者や1階店舗部分についても、
熱海市の管理条例が適用されず長年、大月主導の下で自主管理に任せてきた。
今回の訴訟事件は、熱海市が建物の耐震診断判定Dを理由として、24戸の住宅を移転させ、
1階店舗部分12戸についても、木下氏を除く11店舗が明渡しに承諾している。
木下氏はこの件についても、ほぼ強制的とも思える手段で明け渡しを迫ったと、怒りを顕にする。では、
何故、熱海市が高飛車な追い出しを急いだのか。
木下氏は、建物の老朽化は否めないとした上で、山田弥一氏が没し、その後、
山田氏の母体である「大月ホテル」が破産し凋落したことで、熱海市の
追い出しに拍車がかかった、と、昨年11月27日の答弁書に記している。