高橋弘会長の自伝、
”わが人生”その(45)
ー枝折峠を過ぎ小倉山に入ると、
前夜の雪がかなり積もっていました。
新雪をかき分け、
中ノ岳へと縦走します。
キラキラと太陽が
雪に反射する真っ白な世界。
真青な空に手が届きそうでした。
八海山に登る途中、
谷から大きな熊が
のそりのそりと上がって来たのには
肝を冷やしました。
急いでシャッターを切りましたが、
遠すぎて
よく映っていないのは残念でした。
その後、
越後駒ヶ岳を目指したものの
天候が急変、30時間以上の
激しい風雨に予定を断念し、
3日分の食料を
7日分にのばして下山しました。
登嶺会は、富山県と
長野県意股がる北アルプスの
後立山連峰を主な
研究対象としておました。
私は会の仲間とともに
同連峰の鹿島槍ヶ岳北面と五龍岳に
積雪期に戦後初登攀し、
記録が専門誌に載りました。
(つづく)