午前10時、熱海港芝生広場周辺の気温が一気に上昇、愛犬は前に進むのだが
長い舌を顎に届くまで伸ばして吐く息を荒くする。護岸堤から望む相模湾は
青く穏やかに澄んでいた。波間を割くヨットや漁船の見慣れた風景が心を癒す。
その観光地熱海の宝、熱海湾が今大きく揺れている。今年3月下旬、
突然降って湧いたような騒ぎに発展した散骨場問題。市の許認可をめぐり
市民運動にまで発展しているのはご案内の通りである。市議会は
条例を作って業者側を牽制する構えだが、法規制が曖昧なだけに、
今後も業者側の出方が注目されている。小生のブログやネット新聞にも
市民からの投稿は多く、その何れもが、散骨場に対するアレルギーや
ブーイングの声が日増しに強くなっており、そのコメントをご紹介する。
Aさん。
ー海洋散骨なんて、どこにどれだけ撒かれるかわからない分、
普通の墓より実態が把握しにくいやんけ。普通に考えて、熱海湾には
8000人分の遺灰が撒かれているんですよ~って知ったら、海水浴したり、
そこで取れた魚を食べたいと思いますか?気持ち悪くないですか?
熱 海市長。市民は、この業者が8000人分の区画を計画していることの
リスクについて、どれだけ多角的に将来的に考えているのか。
8000人分の遺灰が撒か れた”死の海・熱海”として、
温泉にも街にも人が来なくなり、さらに廃れる可能性も大いにある。
散骨には法規制がないというのが、業者の言い分。で、ある ならば、今こそ
規制をかければいい。自分の住んでいる町の評判・実態を守りたければー
Bさん。
ー熱海の沖は釣りのメッカです人骨食ったさかな誰が食べるの?
私ゃやだね!熱海の海を汚してはいけません
海に撒けばそこが全部お墓になってしまいますにんげんのエゴです
また既に、西部地区の22町内会3986世帯から集めた、2763人の
散骨場建設反対署名が市長宛に提出済みで、斉藤市長は署名を手に、
「市としても墓地と判断し、経営には市の許可がいると伝えている。まだ
回答はないが、これだけ大勢の市民が散骨場建設に不安を与える事を重く
受け止めさせていただく。市としては今後も中止の方向で進めていくと答えた。
熱海ネット新聞はこの問題に関連して
熱海市は3月に県の風致条例に基づき、散骨場建設業者に建物、
伐採の許可を出していたが「墓地の経営主体は地方公共団体、宗教法人、
公益法人などに 限られ、民間業者には認められていない」という
「墓地埋葬法」に抵触すると判断。今月5日に建設業者に対し、文書で
「許可を受ける前に募集を始めないよう に」と要請した。
「初島沖に散骨、海水をまく」海洋散骨に変更 散骨場建設続行の回答
熱海市熱海の山林に民間業者が散骨場の建設を計画し、
市が中止を求めている問題で、民間業者の代表が11日、市役所を訪れ、
「当初の計画を変更する」とした文書を市に提出した。新たな計画では
初島沖に散骨したうえで遺灰が入らないように採取した周辺の海水を
竹筒に入れ、遺影や遺品とともにそれぞれの区画に埋める」としている。
業者側は近く募集を開始、今年中に区画整理する方針。これまで業者側は
「火葬した遺灰を水に混ぜて散骨する」方式を計画してきたが、市は
遺灰が地下に浸透するほか、規模や管理からしても墓地にあたり、
条例に基づき、経営許可を取るように求めていた。また業者は
初島沖の海洋散骨が認められない場合、海洋散骨の場所を伊豆大島沖に変更。
市内の法人でだめなら、都内に所在地を移してこの計画を進める方針。また、
業者側代表は「市のルールには従うし、争う気もない。
(新計画は)遺骨はいっさいないので墓地埋蔵法に抵触しないと考えている」
一方熱海市は「具体的な内容を確認して、来週中にも(業者側に)回答したい」とした。