ー実は宮子は富山の娘夫婦の子供で、富山の実の孫なのだ。
結婚に反対した富山は、電話をしてきた娘から、
子が産まれたから会いたいと連絡をもらった。しかし富山はこれを拒否、
強硬手段として子を置いていった娘夫婦に怒りを覚え、
施設に捨て子だと言って連れて行ったことを打ち明けた。
慌てて施設に迎えに行った娘夫婦はスピードを出しすぎ、
その際の事故で二人は即死してしまった。激しい後悔と耐え難い悲しみ。
宮子を迎えに行くことがどうしてもできなかった富山。謝罪を受けて、
ただ泣いていた宮子の事も書いてあった。詳細を知り、周囲の反応も載せてあり、
「天涯孤独だと思っていましたがおじいちゃんがいたんですね。
私にとっては初めての肉親です」という宮子のコメントも記載されていた。
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寛一は宮子の富山に対する変わらぬ言動に胸を打たれ、本気で愛するようになっていく。
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たった一年で宮子は熱海を日本一の温泉街へと変貌させた。
海外の旅行者に向けた「熱海で暮らそう」キャンペーンは、
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空き旅館に外国人を下宿させて温泉の効能や入浴作法、
日本文化のエキスパートを養成するもので、長期滞在者を獲得しながら、
ネットを通じて日々の出来事を発信してもらい、観光客の誘致に成功すれば、
人数に合わせて滞在費をポイント制で免除できるという画期的なものだ。
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そして「しがらみのない帰省をしよう。熱海に集合!
誕生日や記念日、年末年始の家族団らん」を打ち上げ、女性が外でバリバリ働き、
旅館や温泉街で気兼ねなく上げ膳据え膳ができるように提案した。
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旅行好きだが病気もちの中高年には、
個々の病状に合わせた減塩や制限食の提供が功を奏し、
若者には価格破壊を打ち出しリピート特典や出会いの場を設ける。
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ファミリー層には忙しくて普段言えない要求や思いをカードに書いてもらい、
全温泉、全旅館に設置した「思い箱」に投入してもらい、
緊急の場合には悩み解決の場を設けたり、後日カードを郵送したりして、
熱海に行けば頼りになるおせっかいおばさん、おじさんがいて、
新しい繋がりの場を設けていくことで、消費者のニーズを叶えていく。
熱海市のホームページでは宮子と寛一の父親の会談がアップされていて、実は
実家の老舗旅館が倒産寸前だったことを知り、寛一は深く打ちのめされた。
本気で仕事に取り組むように変わっていく。(つづく)
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