後楽園社内報(昭和41年)に掲載の雑文から時代を振り返る。 

昭和40年

<10月×日 天候 晴>

熱海後楽園
第2営業部団体予約係
村山憲三
・・・・・・・・・・

「最終のバスが出ますよ!!」
管理人の声がした。
「それっ、起きろ!」
服を着るのに1分とかからない。

それもそのはず、ズボンをはくだけだ。

シャツと上着を片手でつかみ、
あとの片手で靴をつかみ
階段を飛び降り玄関に出ると、
まだ
腫れぼったい目に朝日が容赦なく突き刺さる!

「うわー痛ぇ!」ミニバスに飛び乗る。

もちろん、
顔を洗ってないし歯も磨いていない。
男子寮なのでパンツ一丁でも平気である。

8時20分バス発車。
車の中でシャツを着た。

バスが旭町の交差点に出ると
パチンコ屋のネエちゃんが大きなあくびをしなながら
ホースで道路に水をまいていた。
ネエちゃんの足元で
子犬がじゃれついていた。

8時49分
タイムカードに数字が打たれた。

よし、朝飯だ。従業員食堂に入る。

ご飯の上に卵をのせ醤油をかけ、
かき回して2分で済ませる。従業員食堂のおばさんが苦笑いしているた。
ロッカーから
手ぬぐいと歯ブラシを取り出し風呂で顔を洗った。

9時2分事務所に入る。
「おはようございます」朝の挨拶をする。

さあ、仕事だ。

私の仕事は8月1日から9月18日までプール係でした。

8月中は目が回るほど忙しかったが、
9月に入り、台風と共に客足がバッタリ。
おかげさんで休養ができた(?)

9月14日から団体予約に配置されました。
上司に
「他の人は疲れて痩せたのにお前だけは太って。
よし、うんとしぼってやるぞ」

「あまり苛めないでくださいよ」

最初の仕事は斡旋業者への手数料を送ること。
それから
セールスに出る予定である。

(つづく)

 

村山憲三 ▪︎熱海市議会議員(5期)  

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