熱海市長選挙討論会を傍聴する

昨夜7時から熱海観光会館にて、
「熱海市長選挙公開討論会」が開催された。この討論会、
熱海JCが主催したもので、コーディナーターに
池田健三郎氏(政策アナリスト兼経済評論家)をお招きして、立候補予定者の
斎藤栄氏と田島秀雄氏のお二人から、テーマ別に公開討論会が行われた。
会場は立ち見の出るほどの傍聴者が詰めかけ、
市長選への市民の関心の高さを印象づけた。





討論会は、

A,まちの活性化(経済振興策)
B,安心・安全なまちづくり(医療・介護・社会保障・防犯防災等)
C,持続可能な市政の確立(行財政改革、行政サービス向上等)
D,子供をめぐる諸政策(市の教育方針、子育て支等)の、

4つにテーマについて、
それぞれの考えを予め用意した式次第に従って進められた。入場の際に、
討論内容とアンケートが配られ、聴く側への配慮が感じられた。
両候補者への設問とその回答を抜粋しよう。

1、直近4年間の市政評価について、
斎藤候補は、

—財政再建を最優先に取り組んできた。
これは一定の成果を上げられた。ただし、
不本意ながら市民に大きな負担をかけてしまったー

田島候補は

プラス評価について、
—通常業務遂行(予算編成、議会関係、人事、イベント等への出席他)
観光戦略策定、温泉利用の健康促進、
市長退職金不受理条例制定、市長交際費の公開—を上げているものの、
マイナス評価として、
—選挙公約を実現できなかったとして、小中一貫校の推進、
定住人口増と窓口設置、市役所の土日開庁—、他
—財政危機宣言による熱海温泉のダメージ、
給与カットだけで財政運営に何の策も無い、
市政を混乱させた市庁舎建設と中央保育園の問題、重要施策の先送り、
事業削減だけの行財政運営で市民生活向上への取り組みなしーと、批判している。

2、市長選で問われるもの
斎藤候補は

—4年前の熱海に戻るのか。それとも、厳しくても、
このまま進んで新しい熱海をつくっていくか、を市民に問う選挙—とし、

田島候補は
—熱海の将来ビジョンを示すこととその実行能力。
市民福祉の充実、宿泊産業を守り、雇用の場を広げたい。
福祉充実のための財源確保—をあげた。

3、すぐに行う重要政策(優先順位の高い順に3つ)
斎藤候補は

1、観光振興(広域観光圏、シティプロモーション)
2、少子高齢化対策(子育て支援、熱海式介護予防の確立)
3、都市整備(駅前広場整備)

田島候補は
1、福祉政策の充実
2、観光客増加対策
3、中央保育園と市庁舎・ホールの建設計画推進
(財源は基金、市債、国・県助成金、一般財源)・

4、これだけは言っておきたいこと!

斎藤候補は
—財政再建に一定の目処がついた今、
私はようやくスタートラインに立ちました。
一緒に新しい熱海をつくっていきましょう。
私は市民の良識を信じますー

田島候補は
—熱海市は土地の形状や社会変化などから
第一次、第二次産業は発展しにくく、観光および観光産業が
市の基幹産業となることが必然とも言うべき都市である。私の理想は、
熱海を日本一福祉が充実した観光都市とすることであるー
この他、
細部にわたって各政策に関しての討論が行われた。
小生の感想としては、両候補とも、財源確保への具体的方針、例えば
観光を基幹産業としていく上で重要な
即効性のある経済対策に欠けており、どちらの候補者も、
財源なき行政運営に足を引っ張られ、
市民を更なる借金地獄へと追いやる可能性も否定できない。

雇用促進、税収アップには、企業家誘致しかあるまい。が、
どちらも、そこに踏み込んではいかなかった。
企業誘致には優遇税制対策をどうするのか。リーマンショックで
工事中断している市内メインストリートで眠ったままの施設活用や、例えば、
そうそう、休業中の旧ホテル100万ドルや、旧暖海荘跡地を有効利用して、
外資系ホテルを誘致する等して、
外国人旅行者獲得や雇用確保して、税収アップを図るくらいの、
市民に夢と希望を与える、即効性のある、
大胆発想を期待していたのだが・・。

村山憲三 ▪︎熱海市議会議員(5期)  

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